研削は、硬質砥粒を使用して工作物の余分な材料を除去する加工方法であり、あらゆる硬度の材料を処理でき、従来の加工方法として、より高い工作物精度と表面品質を得ることができ、また加工効率が高く、コストも低く、 先進的な製造領域において非常に高い比重を占めています。研削方法が異なると、応用過程において異なる研削欠陥が発生し、研削欠陥の最も影響力のある要因は、砥石です。本文では、次の表に示すように、具体的な砥石要因による欠陥及び対応する修整方法詳しく説明します 。
表1 砥石の研削過程における一般的な問題と解決策
番号 |
研削方法名 |
研削欠陥名 |
砥石要因による研削欠陥 |
修整方法 |
1 |
円筒研削 |
工作物表面に直線波が発生 |
バランスが悪い |
砥石のバランスを正しくとる |
2 |
円筒研削 |
工作物表面に直線波が発生 |
硬度が高すぎるか不均一 |
砥石は工作物の特徴と研削要求に基づき、研磨工具の特性とその選択ルールに従い正しく選択する必要がある |
3 |
円筒研削 |
工作物表面に直線波が発生 |
鈍くなり、鋭くない、摩耗が不均一 |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
4 |
円筒研削 |
工作物表面に直線波が発生 |
修整したばかりの砥石は鋭くない |
修整が細かすぎるか、ダイヤモンドが摩耗している。研削要求により、適切な修整方法と用量を選択しする |
5 |
円筒研削 |
工作物表面に直線波が発生 |
砥石の硬度が高すぎて、砥石の修整が細かすぎる |
砥石は工作物の特徴と研削要求に基づき、研磨工具の特性とその選択ルールに従い正しく選択する必要があり研削要求により正確な修整方法と用量を選択する |
6 |
円筒研削 |
工作物表面に螺旋状痕が発生 |
砥石を修整するとき工作機械の熱変形が不安定 |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
7 |
円筒研削 |
工作物表面に螺旋状痕が発生 |
修整がタイムリーではなく、摩耗が不均一、砥石を修整するときに研削液が足りない |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
8 |
円筒研削 |
工作物の表面が粗く、傷がついている |
砥粒脱落 |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
9 |
円筒研削 |
工作物の表面が粗く、傷がついている |
砥粒の選択が不適切で、砥石粒度の選択が不適切である。 |
砥石は工作物の特徴と研削要求に基づき、研磨工具の特性とその選択ルールに従い正しく選択する必要がある |
10 |
円筒研削 |
工作物の表面が粗く、傷がついている |
砥石を修整した後の表面には空の砥粒が残っている、または埋め込まれている |
粗粒度の砥石で軟らかい金属と非鉄金属を研削するには、最初にテストピースを研削して、突き出た砥粒を落ちるようにしてから研削する |
11 |
円筒研削 |
工作物表面焼け |
硬度が硬すぎるか、粒度サイズが細かすぎる |
砥石は工作物の特徴と研削要求に基づき、研磨工具の特性とその選択ルールに従い正しく選択する必要がある |
12 |
円筒研削 |
工作物表面焼け |
砥粒の選択が不適切で、ボンドの選択が不適切である。 |
砥石は工作物の特徴と研削要求に基づき、研磨工具の特性とその選択ルールに従い正しく選択する必要がある |
13 |
円筒研削 |
工作物表面焼け |
修整が細かすぎて、砥石は鈍くなったが適時に修理されない |
研削要求により正確な修整方法と用量を選択し、工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
14 |
円筒研削 |
工作物はテーパーが付けられる |
修整不良、摩耗不均一または鋭利でない |
研削要求により正確な修整方法と用量を選択し、工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
15 |
円筒研削 |
工作物はドラム形または鞍形をしている。 |
成形精度が悪い |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
16 |
円筒研削 |
工作物はドラム形または鞍形をしている。 |
砥石が鋭くない |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
17 |
円筒研削 |
工作物の表面が粗く、傷がついている |
角が磨耗されたか、母線がまっすぐではない。 |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
18 |
円筒研削 |
工作物端面垂直度が許容範囲外にある |
砥石端面と工作物の接触が大きすぎる |
砥石を修整して接触面を減らし、適当な砥石を選ぶ。 |
19 |
円筒研削 |
工作物端面垂直度が許容範囲外にある |
砥石が磨耗され鋭くない |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
20 |
円筒研削 |
工作物の真円度が許容範囲外にある |
砥石は鋭利ではないか,摩耗が不均一である。 |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
21 |
内面研削 |
工作物表面に直線波が発生 |
ジョイントシャフト長く細くて、剛性が低い |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
22 |
内面研削 |
工作物表面に直線波が発生 |
砥石が鋭くない |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
23 |
内面研削 |
工作物表面に直線波が発生 |
砥石の直径が大きすぎて振動を起こす。 |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
24 |
内面研削 |
工作物表面に直線波が発生 |
砥石と工作物の接続長さが大きすぎて振動を起こす。 |
修整砂轮使其减少接触面,选择合适的砂轮 |
25 |
内面研削 |
工作物表面に螺旋状痕が発生 |
砥石と工作物の接触不良 |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
26 |
内面研削 |
工作物の表面が粗く、傷がついている |
砥石と工作物の接触面積が大きすぎる |
砥石を修整して接触面を減らし、適当な砥石を選ぶ。 |
27 |
内面研削 |
工作物はテーパーが付けられる |
砥石の硬度が低すぎる |
砥石は工作物の特徴と研削要求に基づき、研磨工具の特性とその選択ルールに従い正しく選択する必要がある |
28 |
内面研削 |
工作物はテーパーが付けられる、工作物表面焼け |
砥石が鋭くない |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
29 |
内面研削 |
工作物表面焼け |
砥石の直径が大きすぎる |
砥石の直径を減らす |
30 |
内面研削 |
工作物がラッパの形をしている |
研削中にアンダーカット溝の貫通穴があった場合、砥石の幅が足りないため、溝がラッパの形になる。 |
砥石幅を増やす |
31 |
内面研削 |
工作物がラッパの形をしている |
短い肩の穴を研削するとき、砥石が工作物に張り出しすぎてラッパの形になる。 |
幅の狭い砥石を使用するか、砥石を超えた部分の直径を小さくする |
32 |
内面研削 |
工作物がラッパの形をしている |
キー溝の内穴を研削する時、砥石が広すぎることにより、溝の角ができてしまう |
砥石の幅または工作物溝内に埋め込まれたクッション(ベークライトまたは金属)を適切に減少する |
33 |
表面研削 |
工作物表面に波紋が発生する |
砥石のアンバランス |
砥石のバランスを正しくとる |
34 |
表面研削 |
工作物表面に波紋が発生する |
砥石の硬度が高すぎる |
砥石は工作物の特徴と研削要求に基づき、研磨工具の特性とその選択ルールに従い正しく選択する必要がある |
35 |
表面研削 |
工作物表面に波紋が発生する |
砥石外周面の硬度は不均一である。 |
高品質の砥石を選択する |
36 |
表面研削 |
工作物表面に波紋が発生する、工作物の表面は直線的な痕跡が現れる。 |
砥石は鈍くなり、鋭くない |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
37 |
表面研削 |
工作物表面焼け |
粒度が細すぎるか、硬度が高すぎる。 |
砥石は工作物の特徴と研削要求に基づき、研磨工具の特性とその選択ルールに従い正しく選択する必要がある |
38 |
表面研削 |
工作物表面焼け |
砥石は鈍くなり、鋭くない |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
39 |
表面研削 |
工作物表面焼け |
砥石の修整が細かすぎる |
研削に応じて正しい修整方法と使用量を選択する |
40 |
表面研削 |
工作物の角または側面がラッパ形で、工作物の2つの表面の平行度または平面度が許容範囲外にある |
砥石の選択が不適切である |
砥石は工作物の特徴と研削要求に基づき、研磨工具の特性とその選択ルールに従い正しく選択する必要がある |
41 |
表面研削 |
工作物の角または側面がラッパ形で、工作物の2つの表面の平行度または平面度が許容範囲外にある |
砥石が鋭くない |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
42 |
センターレス研削 |
工作物の真円度が許容範囲外にある |
砥石が鋭くない |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
43 |
センターレス研削 |
工作物の真円度が許容範囲外にある |
案内ローラの表面が汚れている |
案内ローラの表面を適時に清掃する |
44 |
センターレス研削 |
工作物の真円度が許容範囲外にある |
案内ローラが丸みを修整されていないか、作動時間が長すぎるため丸みがなくなった。 |
適時な修整に注意を払う |
45 |
センターレス研削 |
工作物が丸みを帯びたひし形をしている |
砥石と案内ローラのアンバランスが大きすぎる |
砥石と案内ローラのバランスを再調整する |
46 |
センターレス研削 |
工作物の直線度が許容範囲外にある |
プランジ研削中の砥石は柔らかすぎて、修整不良である |
より硬い砥石を選択し、適時の修整に注意を払い、切削送りを減らし、研磨回数を増し、工作物のテーパー方向に合わせてトリマー位置を調整し、砥石を再修整する |
47 |
センターレス研削 |
工作物の円筒度が許容範囲外にある |
プランジ研削中の砥石硬度が低すぎる |
より硬い砥石を選択し、適時の修整に注意を払い、切削送りを減らし、研磨回数を増やす |
48 |
センターレス研削 |
工作物の円筒度が許容範囲外にある |
砥石と案内ローラが摩耗し、元の正しい形状を失った |
砥石と案内ローラを適時に修整し、正確な形状を保証する。 |
49 |
センターレス研削 |
工作物の表面に振動跡がある |
砥石または案内ローラのアンバランス |
砥石または案内ローラのバランスをとる |
50 |
センターレス研削 |
工作物の表面に振動跡がある |
砥石の硬度が高すぎるか、鈍くなった |
工作物の材質特徴に応じて砥石の硬度を正しく選択し、適時に砥石を修整する |
51 |
センターレス研削 |
工作物の表面に振動跡がある |
砥石の粒度が細すぎる |
砥石は工作物の特徴と研削要求に基づき、研磨工具の特性とその選択ルールに従い正しく選択する必要がある |
52 |
センターレス研削 |
工作物の表面に振動跡がある |
砥石の修整が粗すぎるか、滑らかすぎる |
研削に応じて正しい修整方法と使用量を選択する |
53 |
センターレス研削 |
工作物表面焼け |
砥石の修整が細かすぎるか鈍くなった |
研削に応じて正しい修整方法と使用量を選択する |
54 |
センターレス研削 |
工作物表面焼け |
砥石の硬度が高すぎる |
砥石は工作物の特徴と研削要求に基づき、研磨工具の特性とその選択ルールに従い正しく選択する必要がある |
55 |
センターレス研削 |
工作物の表面粗さの値が許容範囲外にある |
砥石の粒度が粗すぎ、砥石の修整が粗すぎる |
砥石は工作物の特徴と研削要求に基づき、研磨工具の特性とその選択ルールに従い正しく選択する必要がある |
56 |
センターレス研削 |
工作物の表面粗さの値が許容範囲外にある |
砥石の硬度は柔らかすぎる |
砥石は工作物の特徴と研削要求に基づき、研磨工具の特性とその選択ルールに従い正しく選択する必要がある |
57 |
センターレス研削 |
工作物サイズ分散 |
修整したばかりの砥石は鋭くない、ダイヤモンドはもう磨耗してしまった |
ダイヤモンドは時間内に方向転換または新しいものに交換する必要がある |
58 |
カム研削 |
カムリフト曲線の精度が許容範囲外にある |
砥石の直径は使用許容範囲外にある |
砥石を交換する |
59 |
レール研削 |
工作物の変形または誤差が許容範囲外にある |
砥石の選択は不適切である |
工作物の材質と硬度などの特性に応じて適切な砥石を選択し、工作物の硬度≧HRC 64の場合はCBN砥石を選択ください。 |
60 |
レール研削 |
工作物の変形または誤差が許容範囲外にある |
砥石が鈍くなり、鋭くない |
工作物の特徴と精度変化の法則を把握し砥石を時間内に修整する必要がある |
研削は複雑なシステムエンジニアリングであり、砥石と研削プロセスは、工作物素材の特徴に応じて正しく選択する必要があります。加工条件により異なる研削欠陥が発生した場合は、正しい修整方式を採用する必要であり、これによって加工品質が良く、寸法精度の高い工作物が得られ、生産効率が向上し、生産コストを削減できます。