ビトリファイドボンドCBN砥石の特性

Published: 2020-07-28 ソース: Funik

立方晶窒化ホウ素(cubic boron nitride、CBN)は、ダイヤモンドの次に硬度が高く、高硬度、良い熱安定性と化学安定性を有し、高温で鉄族元素に対して化学的に不活性があるという特徴があり、鉄系材料の加工に最適です。立方晶窒化ホウ素研磨工具は、CBNを砥粒として、ボンドやその他の補助材料の助けを借りて、一定の条件の下で作られた一定の形状と性能を備える研削、研磨、およびバフ仕上げなどの加工用途に用いる一連のツールであり、例えば、 砥石、研磨ヘッド、カッティングディスク、研磨ディスク、油砥石などです。その中でCBN砥石研磨工具は最も一般的です。ボンドによって分類すると、CBN砥石はメタルボンドCBN砥石、レジンボンドCBN砥石、セラビトリファイドボンドCBN砥石の三つの種類があります。他のボンドと比べ、ビトリファイドボンドは脆性が高く、生産サイクルが長いなどの欠点がありますが、優れた耐熱性、良好な形状保持、多くの気孔率かつ調整可能、容易な手入れなどの利点があるため、CBN砥石系に占める割合は年々高くなり、CBN研磨工具の中で最大のファミリーとなっています。

他のボンド砥石と比較して、ビトリファイドボンドCBN砥石は以下の特徴を持ちます:

(1)制御可能な気孔率。ビトリファイドボンドCBN砥石の表面の気孔には、切りくず収容、切りくず排出、放熱と冷却の強化など機能があります。研削の用途に応じて、ビトリファイドボンドの研究、砥石の配合の調整などの手段を通じて、ビトリファイドボンドCBN砥石の中の気孔のサイズと数を調整できます。

(2)優れた切削性能。ビトリファイドボンドCBN砥石の開放構造により、CBN砥粒は最適に露出、突出させることができ、これによって作られた砥石は非常に良い自由切削性能と高い被削材除去率を持ち、研削力が小さく、比研削エネルギーが低く、研削性能が優れます。

(3)良い熱安定性と化学安定性。ビトリファイドボンドCBN砥石では、ビトリファイドボンドの耐熱性が優れているため、CBN砥粒の高熱安定性を十分に活用でき、研磨工具の寿命が長くなる一方、ビトリファイドボンドの化学的安定性が優れているため、研削液に対する研磨工具の対応範囲が広くなります。

(4)優れた剛性。ビトリファイドボンドCBN砥石は、熱膨張係数が小さく剛性が高く、研削時に刃物が小さくして、高精度かつ低粗さの研削に適しています。

(5)優れた自生発刃能力。ビトリファイドボンドCBN砥石は自生発刃能力が良いため、手入れが容易であり、手入れ間隔が長く、手入れの頻度が少なく、修正と研ぎを一度に完了でき、メンテナンスコストも低く抑えられます。

(6)良好な工作物の加工整合性。ビトリファイドボンドCBN砥石で研削された工作物の表面は、完全性が良く、工作物の品質が高く、砥石の使用寿命が長いです。

マクロ組成から見ると、ビトリファイドボンドCBN砥石は、CBN砥粒、補助砥粒、ボンドなどの材料で構成される多成分セラミックマトリックス複合材料に属します。砥石の準備過程において、以下の点に注意する必要があります:

(1)ビトリファイドボンドは、CBN砥粒と補助砥粒間の熱膨張係数を一致することによって、相互の強固な結合を保証することができます。

(2)CBN砥粒の表面構造の損傷や硬度などの主要な性能の劣化を避けるために、ビトリファイドボンドとCBN砥粒の間に明らかな化学反応があってはなりません。

(3)砥石の準備条件では、CBN砥粒と主要材料の性能は退化してはなりません

(4)特定の研削要求に適応するため、研削材料の性能(例えば材質、硬度など)、加工方式、取代、加工精度要求などの要因に基づいて、CBN砥粒の種類、粒度、濃度、砥石硬度を合理的に選択する必要があります。

ビトリファイドボンドCBN砥石の優れた性能は、自動車、航空、工作機械、軸受、エンジニアリングセラミックなど多くの製造領域に応用されており、ビトリファイドボンドは高熱伝導率を持っているため、高速かつ効率的な研削に適する潜在力を備えます。ハイエンド研削設備の出現と普及に伴い、ビトリファイドボンドCBN砥石は、成形、高能率、高精度研削などの種類の研削における応用はますます多くなり、その応用領域もますます広くなります。

 

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